止まらない設備のために、24時間で構える
工場やビルにとって、電気設備の突然の停止は事業そのものを止めかねない。電気保安法人 株式会社Y’sは、そのリスクを小さく保つために、通常の点検に24時間の対応体制を組み合わせている。営業は9時から18時だが緊急対応は時間帯を選ばず、営業時間外は緊急対応用の電話へ転送される。定休日を設けていないため、休日や夜間に起きたトラブルでも連絡がつながる。現場対応は指定の時間帯に合わせて動くため、稼働の妨げになりにくい。正直、設立四年ほどの会社でここまで途切れない構えを組んでいるのは、取材していて頼もしく映った。
「一部設備だけ電源が入らない」「異音がする」「継電器が作動した」といった切迫した連絡にも、原因の切り分けから復旧、再発防止策の整理までひと続きで動く。一次復旧で幕を引かず、原因を突き止めて再発を防ぐところまで見るのが、この会社の緊急対応の考え方だ。波及事故を防ぐため、保護協調や遮断器の動作確認を優先して確かめる場面も多い。遮断器が作動したという連絡を受ければ、保護の仕組みが正しく働いたのかまで立ち返って確かめる。
6600Vを預かる保安管理業務
電力会社から届く電気は、キュービクルを介して6600Vで供給される自家用電気工作物になると、扱いが大きく変わる。経済産業省に認められた電気主任技術者が管理し、事故を防ぐ責任を負うと電気事業法で定められている。電気保安法人 株式会社Y’sは高圧受変電設備の保安管理業務を引き受け、毎月の巡回で設備を見て回りながら、24時間の絶縁監視で漏電や劣化の兆候を捉える。
月次点検では外観や計器値、温度、異音・異臭、絶縁監視装置の状態まで確認し、事故の前段にある異常を早めに拾う。年に一度の年次点検では停電を伴う停止計画を組み、絶縁抵抗や接地抵抗の測定、保護継電器の試験、遮断器の動作確認まで踏み込んで、更新の優先度を見極めていく。太陽光発送変電設備についても同じ考え方で年次点検や精密点検にあたり、多種多様な設備に合わせて試験機材を用意している。設備を止めずに使い続けてもらうことが、保安管理を任せてもらう意味だと電気保安法人 株式会社Y’sは捉えている。設備の状態を定期的に確かめ、法令に沿った保安管理を続けることで、突発の停止や波及事故のリスクを小さく保つ。
資格と自社機材で支える現場力
安全を預かる仕事は、人と道具の両方が揃って初めて回る。電気保安法人 株式会社Y’sには第三種電気主任技術者3名、第一種電気工事士3名をはじめ、1級電気施工管理技士や職長・安全衛生責任者、高所作業車の資格を持つ人員が名を連ねる。継電器試験に使う多種多様な試験機のほか、ケーブル診断となる直流漏れ電流試験や、遮断器の開閉特性試験に対応する試験器類まで自社で保有している。機材を外部に頼らないぶん、試験の相談だけでも受けられ、現場での判断を手配待ちで止めずに進められる。取引先には関西電力グループ会社や商社、学校法人や医療法人など法人が並び、近畿圏を軸に全国からの依頼へ応じている。2022年8月の設立以降、点検から工事、保安管理まで担う領域を段階的に増やしてきた足取りがある。設備の状況に合わせてサービスの形を変え、規模の大小を問わず相談を受け付けているため、初めて委託先を探す担当者にも声をかけやすい。試験の相談だけでも構わないという間口の広さが、最初の一歩の敷居を下げている。


