業界横断の受賞歴が裏打ちする、製品の完成度
2008年JSSA優秀賞、2015年COOL JAPAN AWARD、2024年第20回ステンレス協会賞優秀賞、2025年COOL JAPAN AWARD——WABUROは異なる審査機関から繰り返し評価を受けてきた。石貼り浴槽という特定技術に特化しながら、デザイン賞と技術賞の両方を獲得している点は珍しい。これは素材感と機能設計が分離せず一体になって開発されていることの反映でもある。
2024年11月取得の特許(特許第7586476号)は、石貼り浴槽の構造と排水の仕組みを保護するもので、長年の製造実績から生まれた技術的な固有性だ。「他社で似た製品を検討したが、排水の仕組みが全然違った」という施工業者の声があり、表面的なデザインの模倣では追いつかない部分が存在することが分かる。
日本文化としての湯浴みを、ブランド哲学の核に
WABUROのブランドコンセプトは、〝湯浴み〟という日本固有の文化体験を現代の住宅・宿泊施設に宿すことだ。天然石と天然檜を組み合わせた浴室構成は、視覚・触覚・嗅覚という複数の感覚に同時に働きかける設計になっている。「Harmony・Authenticity・Retreat」という3軸は、製品ラインの判断基準として機能しており、異なるシリーズを並べても世界観がぶれない理由がここにある。
正直、ブランドコンセプトページを読んだとき、言葉の密度が他の浴室ブランドとは違うと感じた。マーケティング用の文章ではなく、設計者が自分の言葉で書いたような体感がある。それが製品の質感と対応していることが、ブランドへの信頼を下支えしているのかもしれない。
セミオーダーと規格品、価格帯の複層化
2025年に「選美槽シリーズ」にセミオーダータイプが追加されたことで、フルオーダーのみに限定されていた高級路線に間口が広がった。「プレポル7」シリーズのような提案型規格ユニットバスもラインナップに存在し、予算に応じた選択肢が複数用意されている。施主の要望に合わせた素材・サイズの組み合わせを提案型で提供するスタイルは、設計士との共同作業を前提とした販売モデルだ。
資本金は2025年1月に5,000万円へ増資されており、事業拡大への投資局面にあることが見て取れる。国内製造・国内販売の軸を保ちながらも、2010年に中国・天津で海外事業を開始し、2014年にはシンガポールのBEX Asia展示会にも出展している。国内高級住宅市場だけに留まらない展開を続けている。
南麻布ショールームで、WABUROの全体像に触れる
WABURO TOKYO SHOWROOMが南麻布に開設されたのは2017年。2025年12月にリニューアルオープンし、最新ラインナップを実物確認できる環境として整備し直された。完全予約制で来場者一組ずつに向き合うスタイルは、大型展示場のような滞在とは対照的な、対話型の体験設計だ。
WABUROシステムバスのカラー見積りシミュレーション「SMART CE」もウェブ上で提供されており、ショールーム訪問前のイメージ確認ツールとして活用できる。2026年1月のリニューアルでカタログ・シミュレーションともに刷新されており、デジタルとリアルの両面から製品選定をサポートする体制が整っている。


